BACKGAMMON / 3rd EYE CONTACT について
○ 本日のブログは、BACKGAMMONの渾身の1stフル「3RD EYE CONTACT」についてだ。
○ ジャケの「BACKGAMMON」のロゴが、クソいい。
○ 昨年、画集「富」を出版されたTOMI-E先生の仕事だ。
○ 荒々しく無骨なストリートの美でありつつ、不思議と幽玄の美も兼ね備えている、印象深いロゴ・アートである。
○ CDを集めたりしている身としては、ロゴがいいのはとても重要なことだ。
○ メタルの世界では、ライブイベントのフライヤーに出演バンドのロゴがズラリと並んでいることに象徴されるように、ロゴが看板代わりになっており、ロゴ・アートへのただならぬこだわりがあることがわかる。
○ ブルータルデスはグチャグチャして狂った意匠だったり、スラッシュメタルは直線的でとんがった感じだったりと、音楽的な特徴を図案化していておもしろい。
○ HIPHOPの世界では、ロゴ・アートはどのような位置づけにあるだろうか。
○ HIPHOPグループの有名なロゴといえば、やはり外せないのが「RUNDMC」の、上と下に線の入ったやつだろう。EPMDのロゴなんかも激渋い。
○ あとはウータンのやつとか、ギャングスター、ブラックシープのあれか。
○ 例を挙げれば有名で印象的なロゴはあるものの、やはりメタルの文化と比較すると、ロゴへのこだわりは少ないと言える。
○ グラフィティーアートや、フリースタイルRAPに代表されるように、即時性や、瞬発力、ひらめきを重要視する文化だから、ひとつのモードでい続けることが少ないのだろうか。
○ 思うに、ロゴとは、そのバンドの「型」なのだろう。
○ メタルとHIPHOPの考え方で最も違うところは、完成をよしとするか否かだと思う。
○ メタルには、完成形がある。スラッシュメタルを例にとれば、スレイヤーのエンジェル・オブ・デスがそれだ。スラッシュメタルをやる人は、ほぼ皆がこれをお手本にして頑張っている。無論、エンジェル・オブ・デス並みにいい曲はいっぱいあるが、エンジェル・オブ・デスを超えるスラッシュメタルというのは存在しえない。なぜなら、スラッシュメタルの「型」がエンジェル・オブ・デスだから、ある曲がエンジェル・オブ・デスを超えた瞬間、その曲はスラッシュメタルではなくなるからだ。(知るかっ)
○ 一方、HIPHOPには完成形がない。まあ、しかめっ面でフードを被ったり、そういう美学みたいなもんはあるが、基本的には、その時その時の素直な気持ちを表現するもんだから、HIPHOPらしさには法則性がない。
○ そして、その瞬間に表現されたということが重要で、その形を永遠に留めておくようなものではないのだ。
○ BACKGAMMONのロゴのまとう、路上の美とも言うべき魅力の背景には、そんなHIPHOPのあり方が深く関わっているのだ。
※ ちなみに、この記事を書くにあたって、「3RD EYE CONTACT」の中ジャケに見とれたり、盤面を眺めたりはしたが、CDは一度も再生していません。