(Hed)p.e./Forever!について あるいはGreg Harrisonさんというギタリストについて

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○約7年放置したところで、いきなり

 

○ロサンゼルスのMIXTUREバンド(hed)p.e.による2016年発表の作品について。

 

○(Hed)p.e.といえば2020年8月21日にかなり気合の入った新作「Class of 2020」をDropしたばかりで、MIXTURE界隈のテンションとしてはそちらの作品がたいへん盛り上がっているところなのであるが、

 

○このリリースを迎えるにあたって近年の流れ・変遷を確認しておこうと思い、集中的に聴きなおしていたのである。

 

○何しろこのバンドはスタイルの変遷もさることながらメンバーチェンジが頻繁である。バンド初期からの古参メンバーだったベーシストのMawk氏、DJ・ハイプマン等色々担当のDJ Product氏も既にバンドを去っている。

 

○定期的に確認しなおしておかないと、何が何やら、誰がいるのやら分からなくなってしまうのである。

 

○そのような事で聴きなおしていたところ、12作を数える作品の中で、過去最高といえるアルバムはこれではないか?と思い至ったのが2016年リリース、通算10作目の「Forever!」なのでございました。

 

○今更そのように認識するのにも訳があって、カバーアートの格好悪さもまた、過去最高なのであります。(Hed)p.e.の作品は、音楽はともかくとして、あまりカバーアートに感心したことはなかったのだが、中でもこれはとりわけ良くない。もうちょっと頑張ってほしかったところである。

 

○まそれはともかくとして、どこのところが過去最高!かといえば、一言で、当時在籍のギターリストGreg Harrison (Gregzilla)氏によるメタルメタルした刻み系のギターリフがくそかっこいい!というに尽きる。

 

○だいたい、MIXTUREバンドというやつは、RAPなぞしてチャラチャラしているのが常(平成12年くらいの感覚で書いていると思って下さい。)であるので、男らしいメタルの魂をかんじることは少ない。もっと、スレイヤーやパンテラのようなメタルギターがグイグイ来るかんじのMIXTUREはないものか?いや、というより純粋にギターがかっこいいMIXTUREが聞きたい!

 

○余談ですが、そういう意味では、トムモレロ氏は別世界として、やはりLimp Bizkitのウェスボーランド氏はMIXTURE界においては技術的にもセンス的にもバイブス的にも突出した存在であったなと思います。

 

○ともかく、当時在籍のギターリストGreg Harrison氏、メタルファンもきっちり納得させてくれるゴリゴリのギタープレイで、腕前もふくめて相当いい。風貌もダイムバックダレル氏風の、刻み系の良いリフ弾きまっせ的な、ソロもいけまっせ的な、家では意外と子煩悩でっせ的な、とにかくメタル的に良い男である。

 

○こういうメタル人が、もっとMIXTURE界で活躍してもらいたいものである。(MIXTURE界?)

 

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○メンバー全員でスケボーを楽しんだり、ジョイントを回したりして、音楽以外も楽しそうでうらやましい。

 

○勿論このアルバムに限ったことではないが、ボーカルJared氏はあいかわらずすさまじい。

 

○RAP、レゲエ、ハードコアパンクなど特徴あるジャンルの歌唱がこなせるのももちろん凄いが、グロウル、シャウト、スクリームなどメタル・ボーカルのテクニックを非常にうまく活かしており、例えばクリーン・ボイスのRAPに薄くスクリームやグロウルをユニゾンさせる手法などは、(Hed)p.e.的としか言いようがない凄いアイデアでしょう。

 

○なお、先述のGreg Harrison氏の後任ギターリスト(現時点でも在籍)は、DJ Black氏という白人の若者で、もちろんギターは十分うまいのであるが、Trap系のラッパーでもあるという、まあいろいろやる人のようであり、時代は変わったものだと思います。(バンドでは純粋にギターリストのようです。)Trapは嫌いなので聴きませんが、KornのフィールディーさんがRAPのアルバムを出したやつとは、ちょっと本格さが違うかんじであります。

 

○以上